バイクの任意保険に加入すると「等級」という言葉を目にするが、その仕組みをしっかり理解している方は意外と少ないのではないだろうか。等級は保険料に直結する大切な要素で、理解しておくだけで保険料を大幅に節約できる可能性がある。
この記事では、バイク保険の等級制度(ノンフリート等級制度)の仕組みを、初心者にもわかりやすく丁寧に解説していく。

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ノンフリート等級制度とは
ノンフリート等級制度とは、保険契約者の事故歴に応じて1等級から20等級までの等級を付与し、等級に応じて保険料を割引・割増する制度。契約する車両(バイク)の台数が9台以下の個人・法人に適用される。
簡単に言うと、「事故を起こさなければ等級が上がって保険料が安くなり、事故を起こすと等級が下がって保険料が高くなる」という仕組み。
等級の基本ルール
初めて加入するときは6等級スタート
バイク保険に初めて加入する場合、6等級からスタートする。6等級は実質的に割増でも割引でもないニュートラルな位置づけ(厳密には新規契約の6等級は3%の割増)。
1年間無事故なら翌年1等級アップ
保険を使わずに1年間過ごすと、翌年の更新時に等級が1つ上がる。7等級、8等級と上がっていき、最高の20等級まで到達できる。
事故で保険を使うと等級が下がる
事故を起こして保険金を請求すると、事故の種類に応じて等級が下がる。
- 3等級ダウン事故:一般的な事故(対人・対物事故など)。翌年3等級ダウン
- 1等級ダウン事故:盗難・いたずら・飛び石など。翌年1等級ダウン
- ノーカウント事故:弁護士費用特約のみの使用など。等級に影響しない
意外と見落としがちなのが、盗難やいたずらも1等級ダウン事故に含まれるという点。まずは盗まれない・触られない状態を作っておくことが、等級を守る第一歩になる。
等級ごとの割引率・割増率
等級が上がるほど割引率が高くなり、等級が下がるほど割増率が大きくなる。主な等級と割引率の目安は以下の通り。
| 等級 | 無事故の割引率 | 事故有の割引率 |
|---|---|---|
| 1等級 | 108%割増 | |
| 6等級(新規) | 3%割増 | |
| 10等級 | 45%割引 | 23%割引 |
| 15等級 | 51%割引 | 33%割引 |
| 20等級 | 63%割引 | 44%割引 |
20等級の無事故なら保険料が63%も割引される。6等級からスタートして20等級に到達するまでには最短で14年かかるが、コツコツ等級を上げていく価値は十分にある。

「無事故」と「事故有」の違い
同じ等級でも「無事故」と「事故有」で割引率が異なる。事故を起こして保険を使うと、等級が下がるだけでなく事故有係数が適用されて割引率が低くなる。
事故有係数の適用期間は、3等級ダウン事故なら3年間、1等級ダウン事故なら1年間。この期間中は同じ等級でも「事故有」の割引率が適用されるため、保険料が高くなる。
事故を起こすと「等級ダウン+事故有係数」のダブルパンチで保険料が跳ね上がる。安全運転が最大の節約策と言える。
もらい事故で過失割合を争うことになったとき、映像が残っていれば余計な保険の使用を避けられることもある。ドライブレコーダーを付けるライダーが増えているのはこのためだ。
等級の引き継ぎルール
保険会社を変えても等級は引き継げる
バイク保険の等級は、保険会社を変更しても引き継ぎが可能。保険会社間で等級情報は共有されているため、自動的に引き継がれる。毎年見積もりを取り直して安い会社に乗り換えても、等級はリセットされない。
バイクを買い替えても等級は引き継げる
バイクを乗り換えた場合でも、車両入替の手続きをすれば等級を引き継げる。新しいバイクの納車前に保険会社に連絡して手続きしよう。
引き継げないケース
- バイクと自動車の間:バイク保険と自動車保険の間では等級の引き継ぎ不可
- 排気量区分が異なる場合:125cc以下と125cc超の間では引き継ぎ不可
- 中断期間が長い場合:解約から13か月を超えると等級は引き継げない(中断証明書を発行しておけば最大10年間保存可能)
等級を効率よく上げるコツ
- 小さな事故は保険を使わず自費で対応する(等級を守る方が長期的にお得なケースも)
- 安全運転を心がけ、無事故を続ける
- 保険を使うかどうか迷ったら、保険会社に「使った場合と使わなかった場合の保険料差」を相談する
- バイクに乗らない期間がある場合は「中断証明書」を発行して等級を保存する
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等級に関するよくある質問(Q&A)
Q. 等級は家族に引き継げる?
同居の家族であれば、等級の引き継ぎが可能な場合がある。ただし条件は保険会社によって異なるため、詳細は加入中の保険会社に確認しよう。
Q. しばらくバイクに乗らない場合はどうする?
保険を解約する前に「中断証明書」を発行してもらうこと。中断証明書があれば、最大10年間等級を保存でき、再びバイクに乗るときに等級を引き継げる。
Q. 1等級まで下がったらどうなる?
1等級は108%の割増(保険料がほぼ倍)になる。さらに、引き受けを拒否する保険会社もあるため、非常に厳しい状況になる。安全運転で等級を維持することがいかに大切かがわかるだろう。

等級制度の具体的な活用例
ケース1:軽い接触事故を起こした場合
自分のバイクに軽い傷が付いた程度の事故で、修理費用が3万円だったとする。この場合、保険を使うと3等級ダウンし、翌年以降3年間は「事故有」の割引率が適用される。保険料の増額分が修理費用の3万円を上回るケースがほとんどのため、自費で修理した方がトータルでお得になる。
ケース2:大きな事故で相手に損害を与えた場合
対人・対物で数百万円の損害が発生した場合は、迷わず保険を使うべき。等級は下がるが、そもそも自費で支払える金額ではない。保険はこういう大きなリスクに備えるためのものと割り切ろう。

浅い擦り傷程度なら、コンパウンドで自分で磨いてしまうという手もある。等級を守りながら見た目を整えられるので、軽い転倒のあとに試してみる価値はある。
等級に関する細かいルール
複数台のバイクを持っている場合
バイクごとに別の保険契約が必要で、等級もバイクごとに別々に管理される。1台目のバイクが高い等級でも、2台目は6等級(セカンドカー割引で7等級になる場合も)からのスタートとなる。
中断証明書の活用
バイクを一時的に手放す場合や、長期間乗らない場合は「中断証明書」を発行してもらうことで、等級を最大10年間保存できる。中断証明書がないと等級がリセットされてしまうため、解約前に発行手続きをしよう。
記名被保険者の変更
同居の家族間であれば、記名被保険者(主に運転する人)を変更して等級を引き継ぐことも可能。たとえば、親が高い等級を持っていて、同居の子どもがバイクに乗り始める場合、等級を引き継ぐことで保険料を大幅に抑えられるケースがある。
別居の家族への等級引き継ぎは不可。また、虚偽の申告は契約解除の原因になるため、正確な情報で手続きすること。
Q. 原付からバイクに乗り換えた場合、等級は引き継げる?
125cc以下の原付で加入していた保険から125cc超のバイクに乗り換える場合、等級を引き継ぐことはできない。排気量区分が異なるため、新たに6等級からスタートすることになる。逆の場合(125cc超から125cc以下への乗り換え)も同様。
Q. 等級が20等級に達したらそれ以上は上がらない?
20等級が上限のため、それ以上は上がらない。ただし、20等級を維持し続ける限り63%の割引が適用されるため、長く無事故を続けることで最大の恩恵を受けられる。
等級を上げるために知っておきたい豆知識
ノーカウント事故を活用する
保険の特約のみを使った場合は「ノーカウント事故」として扱われ、等級に影響しない。たとえば弁護士費用特約だけを使った場合は等級が下がらないため、もらい事故の際は弁護士費用特約を積極的に活用するのが賢い使い方。
保険を使うかどうか迷ったときの判断基準
事故を起こした際に保険を使うかどうか迷ったら、以下の計算をしてみよう。
- 保険を使った場合の等級ダウンによる保険料増額分(3年分の合計)
- 保険を使わなかった場合の自己負担額
保険料増額分の方が自己負担額よりも大きければ、保険を使わずに自費で対応した方がトータルでお得。保険会社に問い合わせれば、使った場合と使わなかった場合の保険料シミュレーションを出してもらえるので、迷ったら相談してみよう。
セカンドカー割引の活用
すでに1台バイク保険に加入していて2台目を追加する場合、セカンドカー割引で7等級からスタートできることがある。6等級と7等級では割引率が異なるため、少しでもお得に加入したいなら活用を検討しよう。

Q. バイク保険をしばらく使わない場合、等級はどうなる?
バイク保険を更新し続けている限り、無事故なら毎年1等級ずつ上がっていく。ただし、保険を解約してしまうと13か月後に等級がリセットされる。乗らない期間がある場合は中断証明書を発行して等級を保存しておくのが鉄則。中断証明書があれば最大10年間等級を保存でき、バイクに再び乗り始めるときに以前の等級で再スタートできる。
まとめ
バイク保険の等級制度は、「無事故を続ければ保険料が安くなり、事故を起こすと高くなる」というシンプルな仕組み。新規加入は6等級からスタートし、最高20等級(63%割引)を目指してコツコツ等級を上げていくのが基本。
等級は保険会社を変えても引き継げるため、毎年見積もりを比較して保険料を最適化できる。中断証明書の制度も活用しつつ、賢く保険を使いこなそう。バイクの保険選び全般については、バイクの維持費に関する記事もあわせてチェックしてみてほしい。
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