従来の50cc原付が排出ガス規制の影響で姿を消しつつある中、登場したのが「新基準原付」という新しい区分。排気量は125ccベースながら、出力を制限することで原付一種として扱われるという画期的な制度だ。
記事執筆時点で新基準原付の代表モデルとなっているのが、ホンダのDio110 Liteとヤマハのジョグワン(JOG ONE)。この記事では、両モデルのスペックや特徴を比較しながら、どちらが自分に合っているのか判断するための情報を詳しく解説する。

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新基準原付とは?制度の仕組みを理解しよう
新基準原付とは、排気量125cc以下で最高出力を4.0kW以下に制御した車両を原付一種として扱うという制度のこと。従来は排気量50cc以下が原付一種の条件だったが、排出ガス規制の強化により50ccエンジンの開発が難しくなったことを受けて設けられた。
ポイントは、普通自動車免許で乗れるという点。原付免許はもちろん、普通自動車免許を持っている人なら追加の免許なしで乗ることができる。法定速度は30km/h、二段階右折の義務あり、乗車定員は1名など、交通ルールは従来の原付一種と同じ。
軽自動車税も年間約2,000円と従来の50cc原付と変わらないため、維持費面でのデメリットはない。
新基準原付は見た目は125ccバイクに近いが、法律上の扱いは原付一種。制限速度30km/hや二段階右折など、従来の50cc原付と同じルールが適用される。
Dio110 Liteのスペックと特徴
ホンダのDio110 Liteは、新基準原付の中でも記事執筆時点で最も手頃な価格で注目を集めているモデル。
主要スペック
- 価格:239,800円(税込)
- エンジン:空冷4スト OHC単気筒 109cc(eSPエンジン)
- 最高出力:3.7kW
- シート高:745mm
- タイヤ:前後14インチ
- ブレーキ:フロントにオイル圧ディスクブレーキ + コンビブレーキ
Dio110 Liteの大きな特徴は14インチの大径ホイール。タイヤが大きいぶん路面の段差や凹凸を吸収しやすく、安定感のある走行ができる。特に路面状態が良くない道路や、マンホールが多い街中での走行で恩恵を感じやすい。
フロントにはディスクブレーキを採用しており、制動力も従来の50cc原付より格段に高い。eSPエンジンは定評のある低燃費エンジンで、経済性にも優れている。
ちなみに新基準原付で初めてバイクに乗るなら、車両と一緒にヘルメットも用意しておきたいところ。原付なら視界が広くて扱いやすいジェットタイプを選ぶ人が多い。

JOG ONE(ジョグワン)のスペックと特徴
ヤマハのJOG ONEは、従来のジョグの系譜を継ぐ新基準原付。コンパクトなボディと軽さを重視した設計が特徴。
主要スペック
- 価格:259,600円(税込)
- エンジン:ジョグ125ベース
- 最高出力:3.5kW(4.8ps)
- シート高:735mm
- 車両重量:95kg
- タイヤ:前後10インチ
- ブレーキ:前後ドラムブレーキ
JOG ONEの最大の魅力は95kgという軽さ。従来の50cc原付と同じ感覚で取り回しができるので、狭い駐輪場での出し入れや、ちょっとした方向転換も楽にこなせる。10インチの小径タイヤも小回りの良さに貢献している。
シート高735mmはDio110 Liteよりさらに10mm低く、足つきにも安心感がある。
JOG ONEは前後ドラムブレーキの構成。Dio110 Liteがフロントディスクブレーキなのに対して、制動力の面では差がある。雨天時のブレーキ性能を重視するなら、この点は考慮に入れておきたい。
Dio110 LiteとJOG ONEを比較
両モデルの違いを整理すると、設計思想が大きく異なることがわかる。
価格:Dio110 Liteが約2万円安い。コスト重視ならDio110 Lite。
走行安定性:14インチタイヤのDio110 Liteが有利。路面の凹凸やマンホールなどでの安定感が高い。
取り回しの良さ:10インチタイヤで95kgのJOG ONEはとにかく軽くて小回りが利く。従来の50cc原付からの乗り換えで違和感が少ない。
ブレーキ:Dio110 Liteのフロントディスクブレーキが制動力で優位。特に雨天時はディスクのほうが効きが安定する。
シート高:JOG ONEが735mm、Dio110 Liteが745mm。どちらも低めで足つきは良好。
簡単に言えば、安定性と安全装備を重視するならDio110 Lite、軽さと小回り・従来の原付感覚を重視するならJOG ONEという棲み分けになっている。
どちらを選んだ場合でも用意しておきたいのがグローブ。素手だと風で手がかじかむし、転倒したときに手をつく場面を考えても着けておきたい装備だ。

新基準原付のメリット・デメリット
メリット
従来の50ccより走りに余裕がある
エンジンのベースが125ccクラスなので、発進や坂道でのトルクに余裕がある。50ccではストレスだった上り坂も、新基準原付なら車の流れに乗りやすい。
燃費が良い
エンジン効率が高いため、従来の50ccと同等かそれ以上の燃費を実現している。ガソリン代の節約にもつながる。
維持費が変わらない
軽自動車税は年間約2,000円で50ccと同額。自賠責保険料も同じ区分。ファミリーバイク特約の対象にもなるので、維持費面でのデメリットはない。
デメリット
車両価格が高い
従来の50cc原付が10万円台で買えたのに対し、新基準原付は24万〜26万円と価格が上がっている。エンジンのベースが125ccなので仕方ない面はあるが、初期投資は増える。
法規制は50ccと同じ
エンジンに余裕があっても、法定速度は30km/h、二段階右折も必要。走りの余裕が法律で制限されるのはもどかしいと感じる人もいるだろう。
選択肢がまだ少ない
制度が始まったばかりなので、記事執筆時点ではモデル数が限られている。今後各メーカーから新モデルが追加される見込みだが、選択肢の多さではまだ125ccクラスに及ばない。
新基準原付は「普通免許で乗れる」「維持費が安い」というメリットを活かしつつ、従来の50ccよりパワフルな走りが楽しめる。免許のハードルが低いのも大きな魅力。
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従来の50cc原付からの乗り換えはあり?
現在50ccの原付に乗っている人が新基準原付に乗り換えるのは、十分にありだと言える。走りに余裕が出るぶん、通勤時のストレスが大幅に減るはずだ。
ただし、免許や保険の条件は変わらないので、乗り換えるのは車両の買い替えだけで済む。面倒な手続きが少ないのも新基準原付の良いところ。
なお、まだ50ccが元気に走っているなら急いで乗り換える必要はない。50ccの新車が手に入りにくくなった今、中古市場で50ccの価値が上がっている面もあるので、売却タイミングを見計らうのもひとつの手。
売却まで屋外に置いておくなら、カバーをかけておくと雨や紫外線による劣化を抑えやすい。買い替えた新基準原付のほうにもそのまま使える。
よくある質問
Q. 新基準原付は普通免許で乗れる?
乗れる。普通自動車免許に付帯する原付免許の範囲内なので、追加の免許取得は不要。
Q. 新基準原付でツーリングはできる?
短距離のツーリングなら可能だが、法定速度30km/hの制限があるため、長距離には向かない。ツーリングを楽しみたいなら、小型二輪免許を取得して125ccクラスに乗るほうが快適。
Q. 新基準原付と原付二種の違いは?
最大の違いは法律上の区分。新基準原付は原付一種で法定速度30km/h・二段階右折あり。原付二種は法定速度60km/h・二段階右折なし・二人乗り可能。ただし原付二種に乗るには小型二輪免許以上が必要。
Q. 新基準原付の維持費はいくら?
軽自動車税は年間約2,000円、自賠責保険は年間7,730円。任意保険はファミリーバイク特約なら年間1〜2万円程度。ガソリン代は走行距離にもよるが月1,000〜2,000円程度が目安。

新基準原付の燃費と経済性
新基準原付は125ccベースのエンジンを搭載しているが、出力が制限されているぶん、燃費は非常に優秀。Dio110 LiteのベースとなるDio110はカタログ燃費で約68.5km/Lを記録しており、新基準原付でも同等以上の燃費が期待できる。
年間走行距離を5,000km、実燃費55km/L、ガソリン単価170円/Lで計算すると:
5,000 ÷ 55 × 170 = 約15,455円/年
月あたり約1,300円のガソリン代で済む計算だ。電車やバスの定期代と比較すると、大幅に安い。通勤距離が短い人はさらにコストが下がる。
維持費全体を見ても、軽自動車税約2,000円+自賠責保険(5年一括で年あたり約3,006円)+ガソリン代で、年間維持費は2万円台も十分に現実的。任意保険(ファミリーバイク特約で年間1〜2万円)を加えても5万円以下に収まるケースが多い。
これから新基準原付を買うならどう選ぶ?
新基準原付を検討している人への選び方のポイントをまとめておく。
走行環境で選ぶ
幹線道路を走ることが多いならDio110 Liteの安定性が安心。住宅街や商店街の細い道がメインならJOG ONEの軽さと小回りが活きる。
保管場所で選ぶ
マンションの狭い駐輪場など限られたスペースに停めるなら、コンパクトなJOG ONEのほうが出し入れが楽。一戸建ての駐車場やバイク置き場に余裕があるなら、どちらでも問題ない。
共用の駐輪場に停めるなら、車体側のロックとは別にもうひとつ施錠を足しておくと安心。ディスクロックなら小さくてシート下にも収まる。
将来のステップアップを考えて選ぶ
「まずは原付でバイクに慣れて、いずれ免許を取って125ccに乗りたい」という人は、Dio110 Liteを選んでおくと、125ccのDio110との操作感の違いが少なくスムーズにステップアップできる。
まとめ
新基準原付は、従来の50cc原付の後継として生まれた新しいカテゴリー。普通免許で乗れて、維持費は50ccと変わらず、走りに余裕があるという三拍子そろった実用的な選択肢。
Dio110 Liteは安定性と安全装備、JOG ONEは軽さと小回りがそれぞれの強み。通勤スタイルや走行環境に合わせて、自分に合ったモデルを選んでほしい。
新基準原付の制度について詳しくはバイク王 Bike Life Labで解説されている。各メーカーの公式情報はHonda Dio110 Lite公式やヤマハ発動機で確認できる。
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